定価1,980円(本体1,800円)
発売日2026年8月27日
ISBN978-4-7917-0481-1
BL実写化の新たな可能性
『25時、赤坂で』、『40までにしたい10のこと』、『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』、『スモークブルーの雨のち晴れ』…BL作品を原作とするテレビドラマが活況をみせている。タイトル数も増加し、話題性も高まるなか、BLというジャンルにとってテレビドラマというメディア/枠組みにおける実写化とはいかなる位置をもつものなのか、そしてその作品はどのようにかたちづくられているのか、BLドラマの現在地に迫る。

特集*BL(ボーイズラブ)ドラマの現在
❖座談会
ドラマ『スモークブルーの雨のち晴れ』の日常 / 高橋名月・武田航平・渋谷謙人
❖物語の始まり
「一線」に向き合う / 池田千尋
呼吸のしやすい場所 / 石橋夕帆
距離が、物語になる。 / 柴田啓佑
❖いかに語りうるか
妄想と現実、そして表象――『最終目的地』『キャロル』『スメルズ ライク グリーン スピリット』 / 溝口彰子
「BLドラマ」という言葉以上に――『モアザンワーズ/More Than Words』におけるクィアな視線、関係性、時間 / 時枝ルイム
いまさらを越えて、今もなお――『恋い焦れ歌え』における時間差のライムとクィアな未来 / 久保豊
もっと「くじさく」の方へ――ドラマ『スモークブルーの雨のち晴れ』におけるリアリティの深化とフィクトセクシュアルの視座 / 筒井晴香
大人のガールズラブと百合的な日常――百合/GLドラマ展望 / 品田玲花
❖鼎談
揺籃期のその先に――BLドラマという環境について / 安川有果・船曳真珠・のむらなお
❖観ることのレッスン
『ハッピー・オブ・ジ・エンド』全話解題 / 古厩智之
ヒットの理由とその裏側で / 加藤綾佳
禁忌のゆくえ――BLドラマに「血」を視るわたし / 森井良
❖BLドラマの環境と条件
BLマンガのアダプテーション――何が実写化され、何がジャンルを変えるのか / 石川優
BLドラマを支える出版――商業BLマンガ・小説の刊行状況 / 木川田朱美
どんな制約も受けずに恋愛できる世界――『ジャックフロスト』が描く物語を読む / 西原麻里
マンガからドラマへ――『ハッピー・オブ・ジ・エンド』における「顔」の翻案をめぐって / セメントTHING
忘却された純粋さの喚起と解放――男同士の親密性を紡ぐジュニア主演ドラマの受容について / 小埜功貴
❖内在的な共振
BLドラマの持つ力――タイBLが成し遂げてきたこと / 宇井彩野
越境するロマンス――M/Mの景色 / 冬斗亜紀
新幹線もボーイズラブできるこの時代に / おにぎり1000米
❖BLドラマのトポス
日本BLドラマはどこにあるのか――トランスナショナルな比較から見える繊細さと曖昧さ / 長池一美
「ほっといてください」の先へ――カナダ発BLドラマ『ヒーテッド・ライバルリー』論 / 水上文
タイのソフトパワーになったBL――二一世紀のせめぎ合い――国家、企業、ファン / ヴィニットポン ルジラット
中国BLは誰のものか――規制下の表象と流通の再編 / 周密
男というファンタジー、ファンタジーとしての男――韓国BLドラマの現状が示すもの / 金孝眞
❖可能性の彼方に
アジアBLクロニクル――必見ドラマガイド / 文明
❖忘れられぬ人々*59
故旧哀傷・岡田正代 / 中村稔
❖物語を食べる*51
山歩きと都市の遊歩のあいだで / 赤坂憲雄
❖詩
はっきりみえる / 名端みちる
❖今月の作品
こうちちか・吉岡進・静珂美伶・祁答院刻・酒井創・関本昭太郎・遊木シュカ・chichi / 選=高橋順子
❖われ発見せり
声、水、髪、そして濡れた衣――感性を支える具象 / スポーレ・マーシャ
表紙・目次・扉=北岡誠吾
表紙写真=小野啓