免疫の意味論 

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免疫の意味論

多田 富雄 著  
1993刊/四六判/236頁
C1047 定価2310 円(本体2200 円)
ISBN4-7917-5243-0





「自己」 とは
「非自己」 から 「自己」 を区別して、個体のアイデンティティを決定する免疫。臓器移植、アレルギー、エイズなどの社会的問題との関わりのなかで、「自己」 の成立、崩壊のあとをたどり、個体の生命を問う。

【第20回 大佛次郎賞受賞】

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【目次】

はしがき

第一章 脳の 「自己」 と身体の 「自己」
 自己と非自己 / 脳 対 免疫 / 移植の拒絶反応
 移植片 対 宿主反応 / 移植と脳死

第二章 免疫の 「自己」 中心性 胸腺と免疫の内部世界
 免疫の登場 / 「非自己」 指向性の免疫 / 密室 「胸腺」
 「自己」 の 「非自己」 化 / 教育と死のプログラム / 「自己」 中心性免疫

第三章 免疫の認識論 ネットワーク説をめざして
 認識分子としての抗体 / 抗体の非先見性 / ネットワーク説
 閉鎖構造としてのネットワーク / ネットワークの 「開放性」 / ネットワークによる調節
 ナイヴな自己と洗練された自己 / To react or not to react / ネットワークの崩壊

第四章 体制(エスタブリッシュメント)としての免疫 インターロイキン王国の興亡
 メッセージとしての分子 / さまざまな顔を持つ分子 / インターロイキン
 オプチミストの王国 / インターロイキンの悪夢

第五章 (スーパー)システムとしての免疫 自己の成立機構
 混沌の中から / 造血幹細胞 / 免疫系の成立
 超システムとしての免疫 / 超システムの拡大 / 超システムの条件と限界

第六章 スーパー人間の崩壊 免疫系の老化
 「自己」 はどう維持されるか / 老化の現象論 / 老人の免疫反応 / 免疫系の老化
 超システムの崩壊 / 胸腺か幹細胞か / 胸腺の意味

第七章 エイズと文化 RNAウイルス遺伝子の謀略
 エイズは人類の友 / エイズウイルス / ウイルスの悪意
 エイズに対する免疫応答 / 原始的な免疫の反撃 / エイズと現代文化

第八章 アレルギーの時代 あるいは相互拒否の論理
 アレルギー現わる / アレルギーと免疫 / IgE とアレルギー
 アレルギーの矛盾 / 相互拒否の論理

第九章 内なる外 (チューブ)としての人間
 管としての人間 / 管の免疫装備 / 抗体のペイント
 ファブリキウスの嚢 / 寛容と共存 / 内なる外との対話

第十章 免疫系の叛乱 自己寛容と自己免疫
 反キリストの検証 / 自己免疫の恐怖 / 反自己の叛乱
 自己に対する寛容 / 寛容はどうして維持されるか / 免疫系の叛乱

第十一章 免疫からの逃亡 癌はなぜ排除されないか
 地中海にて / マラリアのトリック / 寄生虫と人間 / 癌に対する自然免疫
 癌免疫におけるキラー / 癌細胞の逃走 / 最後の希望か / 曖昧な自己

第十二章 解体された 「自己」 再び 「自己」 について
 「自己」 の定義 / 行為としての 「自己」 / ミス・ラスロップのマウス小屋
 MHC の発見 / 断片の集合としての 「自己」
 「自己」 の 「非自己」 化の本体 / 曖昧な 「自己」 / 終りに

あとがき

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[著者] 多田富雄(ただ・とみお)
1934年茨城県生まれ。1959年千葉大学医学部卒業。現在、東京理科大学生命科学研究所所長。著編著に 『現代免疫学』(共編、医学書院)、『老いの儀式』(共著、誠信書房)、『生と死の様式』(共著、誠信書房)、『イタリアの旅から』(誠信書房)、『ビルマの鳥の木』(日本経済新聞社)ほか多数がある。

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更新日時:Tue, 18 May 2010 20:52:21 JST (72d)